ラウンド農ふくしまWeb-センター通信(R8試験研究・業務)-
令和8年度 試験研究・業務の紹介
冷温貯蔵したリンゴ「べにこはく」の品質評価
生産環境部食料安全・流通加工科では、本県育成リンゴ品種である「べにこはく」の普通冷蔵(1℃)貯蔵試験
を行いましたので、その結果について紹介します。
「べにこはく」は「ふじ」に比べて重量減少率が小さく、貯蔵4か月後まで果汁感が感じられる果肉硬度を維持
し、十分な蜜入りが認められることがわかりました。
官能による商品性評価では、貯蔵4か月後時点で94%のパネリストから「商品性あり」の評価を得ました。
また、リンゴに含まれる抗酸化物質の中でも、特に高い抗酸化力を持つプロシアニジン類の含有量が、「ふじ」
に比べて多いことも確認されました。
ぜひ、見かけたときはお買い求めいただき、味を確認してください。

貯蔵4か月後の蜜入りの状況 プロシアジニン類の含有量
高温登熟性に優れる水稲有望系統「福島59号」
農業総合センターでは、高温登熟性(※1)に優れる水稲有望系統「福島59号」を育成しました。
近年、水稲が開花する7月~8月に猛暑となる日が増え、県内でも高温障害の一つである玄米品質の低下が発生
するようになりました。
「福島59号」は、高温条件下において、県内の主力品種である「コシヒカリ」に比べて白未熟粒(※2)の発生が
少なく、玄米品質が低下しにくいことが大きな特徴です(写真左)。
栽培面では、「コシヒカリ」より1週間程度出穂期が遅く、大粒で収量がやや多いことや、倒れにくく、いもち
病(※3)に強いという特徴があります。出穂期が遅いため、高温回避や収穫作業の分散が期待できます。
食味についても気になると思います。農業総合センターでは、毎年100名以上の職員から選出された40名ほどの職
員が実食して評価を行っていますが、「コシヒカリ」と同じくらい美味しいと評価されています。
2028年のデビューを予定しております。引き続き、「福島59号」を皆様とともに育てていければと思います。
※1 高温登熟性:開花後20日間に高温になると登熟しにくくなり、白未熟粒が発生する。高温登熟性が優れると玄米品質
が低下しにくい。
※2 白未熟粒:玄米の一部が白く濁っている粒のこと。
※3 いもち病:稲作にとって最も重要な病害の1つ。

高温登熟性検定試験の玄米 基肥窒素7kg/10アールで栽培した様子
あなた(牛)はおいしい牛?
福島県では、黒毛和種の牛肉の「霜降り具合(脂肪交雑)」について、AIを活用して、牛が生きている状態で
調べる『超音波肉質診断技術』を導入しています。
この技術は、福島県、帯広畜産大学、株式会社MIJ-laboが共同で開発しました。
これまで、超音波画像から肉質を正確に判断するには、長年の経験と、高い専門知識が必要でした。しかし、AI
技術を活用した「AI-MEAT」を使うことで、『誰でも熟練者と同じ水準で肉質を判断できる』ようになりまし
た。
「AI-MEAT」による肉質の推定結果は、牛の出荷時期や牛肉の品評会(共励会)への出品可否等を決める際
に役立ちます。これにより、高品質な牛肉を無駄なく、生産効率良く育てることが可能になります。
現在、この取り組みは県内で広く活用されており、年間およそ1,800頭の牛で実施されています。
ぜひこうした先進技術から生まれた「福島牛」を味わってみてください。




