知事定例記者会見
■日時 令和8年8月24日(月曜日)10時00分~10時20分
■会場 応接室
【質問事項】
1 除染産業廃棄物の処理について
2 ALPS処理水の海洋放出について
3 県内の最低賃金の改定について
4 風評加害について
5 県政150周年記念式典について
動画を再生する
【質問事項】
【記者】
川崎市で、除染で出た廃棄物を県内の民間の最終処分場で処理していたという事案がありました。
それに対する知事の受け止めをお願いいたします。
【知事】
関連した報道を拝見しております。
原発事故によって生じた除去土壌や廃棄物は、それぞれの性状等に応じて、法令に基づき処理されるものとなっております。
その上で、除去土壌等の県外最終処分は、中間貯蔵施設の受入れという苦渋の決断を行った際に、その前提として国が約束し、法律に定められた国の責務であります。
県としては、引き続き、国に対し、県外最終処分に向けた2045年3月までの具体的な工程を速やかに明示し、政府一丸となって最後まで責任を持って対応するよう求めてまいります。
【記者】
ALPS処理水の海洋放出が始まってから、今日で3年が経過します。
この3年間の放出作業をどのように御覧になっていますか。
また、今後も長く続くこの作業について、どのようなことを求めるかお聞かせください。
【知事】
令和5年8月24日にALPS処理水の海洋放出が開始されてから、本日で3年となります。
これまでの間、停電等により放出が一時停止したことはあったものの、全体の放出計画に影響を与えるようなトラブルは発生しておらず、処理水の海洋放出は計画どおり実施されております。
また、海域のモニタリングにおいても、トリチウム濃度は検出下限値未満か、十分に低い値であることを確認しています。
処理水の海洋放出について大切なことは、長期にわたって継続的に安全を確保し続けること、そして、科学的な事実に基づく情報を国内外に分かりやすく発信し続けることであります。
先月、東京電力の横尾会長、小早川社長と面会した際、改めてこのことを伝えるとともに、漁業者や流通業者の皆さんが風評に対する不安を抱くことがないよう、万全を期すことを強く求めたところであります。
国及び東京電力においては、引き続き、万全の対策を講じるとともに、正確で分かりやすい情報発信に取り組んでいただきたいと考えております。
【記者】
今ほど言及のありました風評について、福島の漁業に対する国内外の見方や状況の変化を知事はどのように受け止めているでしょうか。
また、風評に対して県内の漁業者は不安もあったと思いますが、皆さんの受け止めを知事はどのように感じているかお聞かせください。
【知事】
3年前のALPS処理水の海洋放出に至る前段階では、非常に長い期間にわたって一定の方向性が示されておりましたが、それについて、特に当事者となる漁業者、漁連等の皆さんの御理解を得るために、国、東京電力が対応を進めてきました。
ただ、そういう中でも漁業者の皆さんは、当然のことながら、本来放出される必要のない処理水が人為的に海洋に放出されるということに強い不安を持っておられました。そして、今なお持っておられます。
2011年の震災・原発事故以降、福島県の農林水産業、特に漁業、水産業は甚大な被害を受け、自分たちが海に出て、誇りを持って漁業に取り組むという思いで楽しみにしていた方々が、本来の生業を失うという状況になっておりました。
それが一定程度落ち着いて、ある程度海洋に出て漁業ができるようになった段階で、改めて追加の海洋放出という案件を実際に目の前にして、本当に悩み、苦しんでおられたことは、私自身が当事者として実感しております。
ただ、処理水の海洋放出については、特に国民の皆さんの正確な理解が相当進んでいて、結果として、福島県の水産業あるいは水産物に対する直接的な風評は極めて影響が薄かったと実感しております。
その際、各都道府県の知事さんたちが自ら県庁食堂等で、福島の魚を食べていただくといったイベント等もあり、皆で応援しようという機運が生じたことを本当に心強く思っておりますし、改めて感謝申し上げたいと思います。
ただ一方で、海外においては、一部の国・地域が、福島県産の水産物のみならず、日本全体の水産物に対して輸入規制等をかけられ、今なおそれが一部継続しているという状況にあります。これによって、本県の水産物のみならず、日本の水産物全体が一定の影響を受け、賠償の対象等となっているという現実もございます。
この3年間は計画どおり放出が行われ、大きな影響がないというのが現状だと思いますが、一方で、処理水の海洋放出はシミュレーションによると2051年まで継続されると見込まれています。今から25年あります。
したがって、この間、東京電力においては、実施者として、安全を確実に、万が一ということが決してないように、海洋放出に真剣に取り組んでいただくことが何よりも重要であると考えております。
また、海外における輸入規制の問題については、政府自身に強い意識を持っていただいておりますが、今後とも、こういったものを撤廃するように働きかけていただきたいと思います。
また、我々も、福島県産の農林水産物の安全性についてPRし、むしろその品質の高さ、おいしさを国内外にしっかり情報発信していくことに力を入れていきたいと考えています。
【記者】
県内の最低賃金につきまして、先週、福島地方最低賃金審議会から引き上げる旨の答申がありました。
知事の受け止めと、県としての今後の対応をお聞かせ願います。
【知事】
先週、福島地方最低賃金審議会は、本県の最低賃金について61円引き上げ、時給1,094円とするよう、福島労働局へ答申しました。
県としては、引き続き、関係機関と連携しながら、中小企業等の生産性向上を支援するとともに、人件費を含む生産コストの上昇分について、適切な価格転嫁を推進するなど、賃上げにつながる環境づくりに取り組んでいきたいと考えております。
具体的に申し上げますと、この人件費を含む生産コストの上昇について、適切に価格転嫁していくことが重要となります。
このため、県では、厳しい状況にある小規模事業者等を対象とした、「稼ぐ力」UPセミナーを開催するとともに、事業者・消費者双方の理解醸成に向けた広報活動を行うなど、関係機関と連携しながら、価格転嫁の円滑化に向けた取組を推進していきます。
また、中小企業等において賃金を引き上げるためには、生産性の向上を図ることも重要です。
このため、中小企業等に専門家を派遣し、生産性向上計画の策定を支援するほか、当該計画を策定した中小企業等を対象に、省力化・効率化を図るための機器・設備等の導入経費を補助しています。
引き続き、県内中小企業等の皆さんが、賃上げの原資をしっかり確保することができるよう、「賃上げ対策」と「販路拡大支援」を両輪として取り組み、「稼ぐ力」の強化を図るなど、持続的な賃上げにつながる環境づくりに努めてまいります。
【記者】
誤った情報の発信によって風評被害を引き起こす風評加害という問題の指摘がありますが、6月の県議会の一般質問でも取り上げられておりました。昨年公開された映画や、ネット番組で、科学的事実に基づかない議論や表現がなされたことによって、差別につながるような世論、風評につながるのではないかという指摘が県議からありました。その中で、福島県は主体的に抗議の声をあげたり、誤った情報に対して指摘したりするような話は、ほとんど聞こえてこないというような厳しい指摘もあったと思います。
この風評加害という問題に対して、改めて知事の考えと、また今後どのように対応されていくかお聞かせください。
【知事】
まず、先般の6月県議会における審議につきましては、その際、県当局から答弁したとおりでございます。
その上で、東日本大震災・原発事故以降、この15年余り、本県は様々な風評に苦しんできました。
例えば、農林水産物、観光など、様々な場面で、やはり原発事故があった福島ということで、様々な形で風評があるということを、県民の皆さん、また私たち自身一人一人が実感してきたところであります。
この15年間、正に風評被害を払拭するための取組を、非常に丁寧に、精力的に進めてきました。その中で、例えば農林水産物では、今、国内の多くの方が笑顔で、旬のモモを楽しんでいただく、キュウリを食卓に並べていただくという状況がございますし、県産農産物の輸出量も、震災前に比べて3倍以上という非常に劇的な伸びを示しているところであります。
先ほどALPS処理水の問題についてもお話をしましたが、どうしても風評というものはいろいろな場面で生じる可能性があります。それに対して、科学的な正確な情報を丁寧に分かりやすく、また何よりも、粘り強く発信していく中で、風評払拭に力を入れていきたいと思います。
また、あわせて大事であり一番効果があるのは、実際に、福島に、「来て」「見て」「聞いて」「感じて」「食べて」いただくことだと考えております。
昨年のプレDC、今年の本番DC、来年のアフターDCと、3年間観光に力を入れておりますが、これも真の意味での風評払拭を前進させるための重要な施策だと考えています。残念ながら特効薬があるわけではありませんが、多くの方々の共感を呼ぶことができるよう、今後とも、様々な手法を用いて丁寧に取り組んでまいります。
【記者】
先週、県政150周年式典がございまして、その中で、知事も、決意を述べられたと思いますが、この式典を終えられて、式典の感想、また今後の県政でどういうことに挑戦をされていかれるか、改めて決意をお伺いできればと思います。これからも取り組んでいく、大きな課題に対する具体的な、「こういったことを考えている」ところを伺えればと思います。
【知事】
先週、福島県政150周年記念式典を滞りなく終えることができました。
700人を超える方々が、県文化センターにて参加をしていただき、心を一つに、この記念式典をしっかりと挙行することができたこと、本当にうれしく思います。
前半では、福島県にどういう歴史があったかということを映像で振り返りました。その間、福島県が誇るすばらしい先人・偉人の偉業や、御苦労を忍びつつ、150年間で福島県という県が大きく発展してきたのだな、ただ、その陰には、常に逆境・困難があって、その逆境・困難を乗り越えるために、先人の皆さんが本当に努力、努力、努力を続けてきたのだな、ということを実感しました。
その後、祝辞を頂きますとともに、5名の方に登場していただき、それぞれが未来に残したいメッセージをお話しいただきました。
まだ10代のお子さんから年配のベテランの方まで、それぞれが福島県に対する愛情を持って、「こういうことをやりたい」という夢・希望を、堂々と発表していただいた姿に感銘を受けました。
また、福島県の伝統文化・芸能でありますが、二つの伝統文化それぞれが、歴史を背負ったすばらしいパフォーマンスを見せていただきました。
そして、福島県を応援していただいている日本フィルハーモニー交響楽団は、福島県と連携協定を結んでおりますが、我々福島県民だけが頑張るのではなく、改めてこの15年間、日本フィルを始めとした国内外の多くの方々からの「福島頑張れ」というエールが、我々が前進する大きな力になっているということを、美しい演奏を聞きながら、心に残るものがございました。
そしてまた、合唱がすばらしかったです。
100名を超える若い方々が様々な場所から集まって、二つの曲目を演奏していただきましたが、県文化センターに響きわたるハーモニー。今、国内外において分断と対立が進行している、厳しい現状がありますが、その中でも心を一つにして、ハーモニーを、こうして響かせることができるのだということを正に教えていただいたと思います。
私自身が一番心に残っておりますのは、最後に全員で、参加した700人余りの方、そしてステージの合唱塾の皆さんと一緒に、県民の歌を斉唱したことであります。県民の歌を、1番から3番まで皆で、それぞれの音色が違う中、高いソプラノの方から低いバスの方もいますし、若い方、ベテランの方、男性、女性、県外から来た応援団も含め、一緒になって、県民の歌を一生懸命歌う。この姿が、これからの未来に向けた福島に対する重要なアドバイスになっていると思います。
本県は、東日本大震災・原発事故以降、複合災害からの復興という問題と、急激な人口減少への対応など、様々な逆境・困難があるわけですが、150年間、先人の皆さんが本当に苦労を重ねながら努力してきた。その先輩たちの思いを心に置きながら、できるだけ多くの方と心を一つにして、課題解決のために、共にチャレンジすることが大事だということを、今回の記念式典を通じて改めて教えていただいた気がいたします。
今後とも、今回の記念式典で得た感動と学び、これを心の真ん中に置いて、県政に取り組んでいきたいと思います。
(終了)
【質問事項】
1 除染産業廃棄物の処理について
→生活環境部 中間貯蔵・除染対策課 電話024-521-8638
→生活環境部産業廃棄物課 電話024-521-7535
2 ALPS処理水の海洋放出について
→危機管理部原子力安全対策課 電話024-521-7252
→企画調整部風評・風化戦略室 電話024-521-1128
3 県内の最低賃金の改定について
→商工労働部雇用労政課 電話024-521-7294
4 風評加害について
→企画調整部風評・風化戦略室 電話024-521-1128
→商工労働部観光交流局観光交流課 電話024-521-8729
5 県政150周年記念式典について
→企画調整部文化スポーツ局文化振興課 電話024-521-7159