知事定例記者会見
■日時 令和8年6月8日(月曜日)13時00分~13時30分
■会場 応接室
【発表事項】
【質問事項】
1 韓国向け観光プロモーションの強化について
2 韓国からのチャーター便について
3 令和9年度に向けた国への提案・要望について
4 ひょう被害への対応について
5 福島市のクマ対策について
6 クマ対策について
7 人口動態統計の概況について
8 放射線量の測定結果について
9 磐越道でのバス事故の対応について
【発表事項】
令和8年度6月補正予算の概要を発表いたします。
今回の補正予算は、国の電気・ガス料金支援と連動した取組を始め、医療・介護サービス提供体制の充実や、ひょう害への対応、インバウンド誘客の更なる推進など、緊急に措置すべき経費について計上いたしました。
その主な内容といたしましては、国の電気・ガス料金支援と連動した取組として、LPガスを使用する一般家庭等への支援、特別高圧電力を使用する中小企業等への支援。医療・介護サービス提供体制の充実に向けた取組として、生産性向上や職場環境の改善に取り組む病院・介護施設等への支援。ひょう害への対応として、被災農家の生産力の回復や営農継続に向けた緊急支援、被災果実の販売促進支援。インバウンド誘客の更なる推進に向けた取組として、チャーター便就航を契機とした韓国向け観光プロモーションの強化。これらに要する経費を計上いたしました。
以上により、一般会計における補正予算の総額は、16億9千7百万円、本年度予算の累計額は、1兆2,623億4百万円となります。
【質問事項】
【記者】
韓国向け観光プロモーションについて、韓国とは輸入規制など課題も多いと思いますが、今回のプロモーションを含め、今後の施策について知事のお考えをお聞かせください。
【知事】
まず、韓国向け観光プロモーションの強化についてであります。
今年の7月と10月に運航する韓国チャーター便を契機として、更なる誘客を図るためプロモーションを強化いたします。
韓国チャーター便を利用して、多くの韓国の皆さんに福島県を訪れていただけるよう、今回補正予算に計上しました。
韓国の旅行会社と連携した広報や商品造成支援、韓国向けパンフレットの作成等を通して、本県の様々な魅力や、復興が進む「福島の今」をお伝えし、誘客につなげていきたいと考えております。
また、輸入規制(の撤廃に向け政府が韓国へ協議を打診していること)について、報道を拝見しております。
震災と原発事故から15年余りが経過した今も、依然として韓国を始めとする5つの国・地域において、本県産農林水産物の輸入規制が続いています。
国においては、引き続き、科学的根拠に基づく正確な情報発信を行うなど、輸入規制の撤廃に向け、責任を持って取り組んでいただきたいと考えております。
県としては、引き続き、県産農林水産物の安全性を確保する取組を進めるとともに、政府と連携しながら、科学的根拠に基づく正確な情報や、県産農林水産物の魅力、品質の高さを発信するなど、輸入規制の撤廃に向けて取り組んでまいります。
【記者】
韓国からのチャーター便について、就航に合わせて諸々の施策を準備されてきたところかと思いますが、それに加えて、今回予算を上乗せするのは、他国と比べて韓国に特にフォーカスしていくということでしょうか。どんな動きがあったのか教えてください。
【知事】
福島空港でありますが、震災・原発事故前は、上海便、ソウル便が定期便としてありました。
ところが、特に原発事故の影響によって、その二つの大切な国際定期便が途絶してしまったという歴史があります。
この15年間、県では当然ながら、両国に働きかけを行うとともに、航空会社とも折衝してきましたが、原発事故の影響が非常に大きく、農産物の規制の問題も含めて、なかなか事情が変わらないという状況にありました。
そういう中で、今回、韓国からのチャーター便がこういう形で運航されることは非常に重要な契機になると考えています。
「福島」という地名が、韓国の方にどのようなイメージを持たれているのか。そして、そのイメージをより良くしていくために、どういった広報を現地で行っていくか。また、今回のチャーター便を一過性のもので終わらせずに、今後もチャーター便を運航していただき、いずれまた、震災前の状況に戻っていくための第一歩として、今回、こういった予算を組んでいるところです。
【記者】
明日、国の施策等に対する提案・要望活動があります。
第3期復興・創生期間で1.6兆円の枠組みが示されていますが、財務省等との折衝を経なければ、お金は下りてきません。知事はもちろんですが、現場の信頼関係も大事になってくると思います。
トップである知事が訪ねることや、現場の信頼関係などを通して、この1.6兆円をきちんと形にしていくことが非常に大事になってくると思いますが、明日の要望に当たって、知事のお考えを聞かせください。
【知事】
明日、各政党、関係省庁に対し、ふくしまの復興・創生に向けた提案・要望活動を行います。
福島の復興はこれからも長く厳しい戦いが続きます。そうした中、第3期復興・創生期間は、避難者の帰還や移住の促進を始め、生活環境の整備、産業・生業の再生等を一層進めなければならない極めて重要な期間となります。
今回の要望項目においては、第3期復興・創生期間以降における、復興の更なる加速化を始め、避難地域等の復興・再生、福島イノベーション・コースト構想の推進、原子力発電所事故への対応、風評払拭・風化防止対策等のほか、地方創生・人口減少対策の推進等について要請を行います。
福島の復興・創生を切れ目なく安心感を持って進めることができるよう、国に対し、令和9年度予算はもとより、中長期にわたり必要となる十分な財源と、復興を支える制度の確保をしっかり求めてまいります。
また、明日の要望、さらに今後に向けて、私が大事にしたいことは、「風化させないこと」であります。
やはり、15年余りが経過する中、霞ヶ関、あるいは国会においても、2011年3月当時の本当に厳しい状況、緊迫感、臨場感を当事者として体験された方がどんどん減っておられます。
特に、役人の皆さんは、1、2年で異動があるため、当時の状況を生々しく分かっている方は本当に限られているかと思います。
そうした中で、福島県は震災と原発事故から15年が経過しても様々な課題を抱えており、これからも復興・創生を進める必要があります。
現在、第3期復興・創生期間のマクロの財源として、1.6兆円を確保していただいていることは非常にありがたいことであります。
一方で、国の予算は単年度予算であります。1年ごとに、各省庁に対してきちんと状況を説明し、本県の現状について理解を得て、その上で予算をしっかりと形にしていただき、施策を執行する。これを一年、一年、繰り返していくことが極めて重要になります。
そこで、私自身も含め、県職員には、関係省庁の皆さんとの信頼関係を高めながら、「福島が今どのような課題を抱えているのか」、「ここまで解決したが、まだこの課題が残っている」、あるいは「15年が経過したから、このような新しい課題が出てきている」、「中東情勢などの全国的に難しい課題を抱えている中でも、福島の復興にはまた難しい部分がある」、こういったことを丁寧に説明し、納得していただくことが重要だと思います。
また、予算は、これからの概算要求、そして年末の閣議決定に向けて、当然ながら何度も何度も協議を繰り返します。協議を重ね、信頼関係を高めながら、お互いに良い形で令和9年度予算をつくっていくためのスタートラインが、明日の政府要望だと思っております。私自身、官房長官や各大臣、政党の皆さんに対して、「福島の今」、そして、福島の未来に対して、どのような施策が令和9年度において必要なのか、しっかりお伝えしていきたいと考えております。
【記者】
先日のひょうの被害について、先週、確定値が公表されました。6億5,000万円という大きな被害であったかと思います。これに対する知事の受け止めと、様々な支援策を考えてきた中で、今回の支援策に至った経緯をお伺いします。
【知事】
先月の降ひょうにより、県内8市町村において、モモやブドウ等の農作物への被害が発生し、被害額は確定値で6億5,000万円、被害面積は176ヘクタールとなりました。
近年では、令和4年度の降ひょうに次ぐ大きな被害となっており、私自身、実際に現場に行って被害を受けた農家の方々とお話しましたが、皆さん非常に気を落としておられます。
そういう状況の中で、今回の補正予算では、被災された農家の皆さんの経営安定化と、産地の生産力回復を図るため、「生産対策」と「販売対策」を両輪で実施していきたいと考えております。
具体的には、まず、今年度と来年度における果実の収量や品質を確保するために必要な摘果など、追加で行う作業に係る掛かり増し経費を支援いたします。
令和4年度以上に(補正予算額を)しっかりと積み増しし、掛かり増し経費を支援していきたいと考えています。
そして、被災された果実の選別・運搬や、JA、直売所等で行う販売フェア等の開催費用を支援いたします。これは、今回初めて入れているものでございます。
さらに、今回の補正予算のほか、既存の予算を活用しながら、肥料等の購入支援や農業経営維持のための金融支援を行うなど、被害状況や関係団体の皆さんからの要望を踏まえて、幅広い支援をパッケージ化して実施することで、被災された農家の皆さんの取組を力強く後押ししていきたいと考えております。
令和8年度の当初予算として既に組んでいる予算の中で、ひょう害に対応できる施策を十分に活用しつつ、今回、6月補正で新たに追加した施策を県議会にお認めいただければ、その全体を県のパッケージとして、今回被害を受けた農家の皆さんが来年に向けて希望を持って営農に取り組むことができるよう、しっかり取り組んでいきたいと思います。
【記者】
ひょう害の発生から約1か月が経過し、夏の出荷が近づいています。被害を受けられた産地への支援の状況と、夏の商戦をどのように見ているか伺います。また、販促では具体的にどのようなところにお金を使うのか教えてください。
【知事】
まず、福島県は全国の中でもモモの一大生産地であり、出荷量も非常に多いです。今回ひょう害によって大きな被害を受けている地域は一部であり、ほかのエリアではひょう害を受けておりませんし、凍霜害等についても目立った被害はありませんので、全体としては、おいしいモモを例年どおり作ることができる産地が相当あるということは前提としてあります。
今回、被害に遭った伊達市、桑折町は、モモの一大産地であります。こうした地域では、傷ついたモモを峻別して摘果し、大きく育てることができるよう、技術支援を行ってまいります。
その上で、傷ついたモモは、いわゆる「訳ありモモ」となります。今回の新たな施策として、事情を御説明した上で、それをJAや直売所で一定の単価で販売します。
令和4年の経験から言っても、そうした商品を買っていただける方々は十分おられるかと思います。
したがって、モモの供給量はもちろん一定の減少はありますが、全体に劇的な影響を与えるというレベルにはならないのではないかと思います。詳細については、担当部局に取材をしていただければと思います。
【記者】
先週、福島市でクマの被害が出ました。改めてクマ対策へのお考えと被害に対する受け止めをお願いします。
【知事】
先週、福島市の工場敷地等において、4名の方がクマに襲われました。今年度のクマによる人身被害としては5件目となります。被害に遭われた皆さんに心からお見舞いを申し上げます。
今回の事案に当たり、福島市では現地本部を設置し、麻酔銃による捕獲を試みたものの、結果として捕獲には至りませんでした。
このクマは、3日の夜中に工場から逃走しており、現在も捜索が続いているところであります。
今回の事案では、クマが立てこもった工場内に引火性物質があり、銃弾を使用できないという困難な制約がある中、福島市におかれては、関係機関と連携しながら対応に当たられたものと受け止めております。
一方、被害の発生から約40時間にわたり対応したものの、結果として捕獲に至らず、クマが逃走したことは重く受け止めなければいけないと考えております。
こうしたクマへの対応は、福島市のみの問題ではなく、全国共通の課題であり、市街地でのクマの捕獲がいかに困難であるかを示すものであります。
県としても、今回の事案について、一連の対応を一つ一つ丁寧に検証するとともに、その結果を市町村と共有しながら、今後の対応に確実にいかしていきたいと考えております。
【記者】
クマについて、今回の福島市の事案で、市長も、大変知能性があるという表現をしていらっしゃいました。
こういったクマの学習能力に対する知事の見解を伺います。
【知事】
今回の事例の一連の状況を検証しながら、今後の市町村、県としての対応に活用していかなければならないと考えております。
また、具体的な現場の状況等については、専門家の御意見等も頂きながら、検証の中に含めていく必要があろうかと思います。
【記者】
先週、厚生労働省の人口動態統計の概数が公表されました。
県の出生数は7,842人となり、初めて8,000人を切りました。
これに対する受け止めをお願いします。
【知事】
先週、国において令和7年人口動態統計の概数が公表されました。
福島県の出生数は7,842人であり、昨年を374人下回り、過去最少を更新しました。
また、長年、全国平均を上回って推移してきた合計特殊出生率については、前年と同様、全国平均と同率の1.14まで低下しています。
さらに、婚姻件数については、前年比で11組減の5,484組となりました。
これらの結果、自然増減数は1万9,336人の減少となり、過去最大の減少幅となりました。
改めて、本県における人口減少と少子化が大変厳しく、危機的な状況にあると受け止めております。
県としては、人口減少のスピードを少しでも緩やかにできるよう、市町村、企業、関係機関等と連携しながら、あらゆる対策を粘り強く進めていきます。
今回、特に出生数が減っておりますので、改めて県の自然減対策についてお話します。
自然減対策としては、「出会い・結婚」、「妊娠・出産」、「子育て」など、それぞれのステージに応じた希望をかなえることができるよう、県民の皆さんお一人お一人に寄り添った施策を積極的に推進していきます。
まず、「出会い・結婚」に向けた施策としては、100名以上の若い方々が自由な雰囲気で交流するマッチングイベントを新たに開催します。
併せて、結婚支援システム「はぴ福なび」の39歳以下の方の登録料を無料とするほか、民間企業等とも連携しながら、出会いや交流の場を拡充していきます。
次に、「妊娠・出産」に向けた施策としては、これまで行ってきた遠方での妊婦健診や出産に要する交通費等の補助に加え、今年度は新たに、遠方で産婦健診や産後ケア、乳幼児健診を受ける場合の交通費についても助成を行い、居住する地域にかかわらず、安心して妊娠・出産できる環境整備に努めてまいります。
また、若い世代が、妊娠や出産を含め、将来を見据えながら健康管理を行う「プレコンセプションケア」の更なる普及啓発にも努めてまいります。
そして、「子育て」に向けた施策としては、保育士等の人材確保に向けた取組を進めるとともに、県産材を活用した遊具を設置する施設への支援を通じた遊び環境の改善など、更なる保育環境の充実に取り組んでまいります。
【記者】
先週、原子力規制委員会が、県内で実施した放射線量の測定の結果をとりまとめ、7割に当たる地域で放射線量が全国と同じレベルになったと公表しました。これについての受け止めをお願いいたします。
【知事】
2011年3月に原発事故に見舞われた福島県ですが、県内の非常に幅広い地域において放射性物質が降下し、59市町村の中で50を超える自治体において除染を行われなければならないという事態になりました。
その後、数年をかけて除染を面的に行い、その上で、大熊町、双葉町に御負担をかけ、また一方で御理解を得ながら、中間貯蔵施設に運び込むという、空間放射線量対策を行ってきた結果、この15年間で大幅に線量が減少しました。今の段階でも、帰還困難区域等を除いて、安心して暮らすことができる状況でありましたが、日本全国と比べても安心して暮らすことができる地域であるということを検証していただいたレポートが改めてまとめられたことには意義があると考えております。
本県としては、残る帰還困難区域の除染を的確に進めつつ、一方で、中間貯蔵施設の除去土壌等の県外最終処分を政府にしっかりと責任を果たしていただく中で、今の我々世代、また将来の世代も安心して福島に暮らすことができる環境をしっかり整えていきたいと考えています。
【記者】
風評風化にも今回のレポートは何か意義があるとお考えですか。
【知事】
まず、国内においては、従来にあったような大きな風評被害はないと考えております。しかし、やはり、5つの国・地域において輸入規制が残っているということは事実であります。また、そのほかにも一定の風評被害がないと言える状況にはありません。国内外において風評被害をより減らしていく、誤解を解いて正確な情報を発信していく上においても、有意義であると考えております。
【記者】
磐越道のマイクロバスの事故から1か月となりました。先週、郡山市などでも新たに調査結果などが示されたと思います。改めて県として、こういった安全対策について実態調査等を進める考えがあるかどうか、知事の見解をお願いします。
【知事】
先般、国から部活動の遠征等における安全確保に関する通知が発出されたことを受け、県内の公立学校及び私立学校に対し、部活動を含む学校教育活動の実施に当たり、児童生徒の安全が確保されるよう、改めて対応の徹底を依頼したところであります。
また、先月、国は、部活動の遠征や校外活動の移動に関する安全対策の検討に向けた連絡会議を開催し、今月末を目途に、学校が実施すべき安全対策等を取りまとめることとしております。
県としても引き続き、こうした国の動向を注視しながら、教育活動における安全の確保に努めてまいります。
(終了)
【発表事項】
1 令和8年度6月補正予算の概要について
→総務部財政課 電話024-521-7027
【質問事項】
1 韓国向け観光プロモーションの強化について
→商工労働部観光交流局空港交流課 電話024-521-1163
→商工労働部観光交流局県産品振興戦略課 電話024-521-8026
2 韓国からのチャーター便について
→商工労働部観光交流局空港交流課 電話024-521-1163
3 令和9年度に向けた国への提案・要望について
→企画調整部企画調整課 電話024-521-7110
4 ひょう被害への対応について
→農林水産部農業振興課 電話024-521-7337
5 福島市のクマ対策について
→生活環境部自然保護課 電話024-521-7740
6 クマ対策について
→生活環境部自然保護課 電話024-521-774
7 人口動態統計の概況について
→保健福祉部こども未来局こども・青少年政策課 電話024-521-7198
→保健福祉部こども未来局子育て支援課 電話024-521-8205
8 放射線量の測定結果について
→危機管理部 原子力安全対策課 電話024-521-7792
→企画調整部風評・風化戦略室 電話024-521-1128
9 磐越道でのバス事故の対応について
→教育庁健康教育課 電話024-521-7777
→総務部私学・法人課 電話024-521-7047