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集団Q&A3-(6)誠実交渉義務と団体交渉の打切り

印刷用ページを表示する 掲載日:2026年8月18日更新
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誠実交渉義務と団体交渉の打切り

質問

 当社では、労働組合が賃上げや手当の新設を求める団体交渉を申入れてきたため、複数回にわたる交渉の中で、組合から求められた決算書等の財務情報を開示するとともに、現在の従業員構成、今後の人員数の推移見込みや業績予想などの資料を用いて、現時点では賃上げや手当の新設は難しいことを説明するなどできる限り真摯に対応してきました。
    しかしながら、お互いの主張は平行線をたどり、妥結に至る見通しが立たないため、当社としては、組合に交渉の打切りを伝えたいと考えていますが、誠実交渉義務に反しないでしょうか。

答え

 誠実に団体交渉に応じ協議を尽くしても、双方の主張の隔たりが大きく、これ以上団体交渉を継続しても進展する見込みがない場合には、使用者が交渉を打ち切ったとしても誠実交渉義務には反しません。

解説

●団体交渉の行詰まりによる打切り

    使用者には、組合の要求や主張に譲歩したり合意する義務まではありませんが、組合の要求に応じられないのであれば、その理由を十分に説明し納得が得られるよう努力すべきとされています。しかし、労使双方が交渉事項についてそれぞれ自己の主張・提案・説明を出し尽くし、これ以上交渉を重ねても進展する見込みがない段階に至ったと認められる場合には、使用者は交渉を打ち切ることが許されます。​
     ​

●時間の経過による団体交渉の再開

    判例では、交渉の行詰まりによる打切り後に、時間の経過やその後の状況の変化などにより、交渉再開が有意義なものとなることが期待される事情が生じた場合は、使用者は交渉再開に応ずる義務があるとされています。

●誠実交渉義務

    使用者は、義務的団交事項について労働組合から団体交渉の申入れがあった場合には、交渉に応じる義務があります(労働組合法第7条第2号)。
    判例でも、使用者は、自己の主張を相手方が理解し、納得することを目指して、誠意をもって団体交渉に当たらなければならず、労働組合の要求や主張に対する回答や自己の主張の根拠を具体的に説明したり、必要な資料を提示するなどし、また、最終的に労働組合の要求に対し譲歩することができないとしても、その論拠を示して反論するなどの努力をすべき義務があるとされています。

参考

○寿建築研究所事件(東京高判昭和52.6.29   労民28巻3号)
○池田電器事件(最二小判平成4.2.14   労判614号)
○カール・ツァイス事件(東京地判平成元.9.22   労判548号)

 

 

 

 

 

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